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モンドリアンな風景










三崎の町を散歩したら

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人が住んでいない・・廃屋といった感じの家でしたが、何処を切り取っても面白いコンポジション。
ブルーのペンキが剥がれ落ちた(絵画的表現をすると)マチエールとなぜか鮮やかな弁柄色に塗り込められた窓辺の色。これを絵の具で出せといわれたら難しそう。

さらに、この家をとりあえずカバーするために蔽っただろう波トタンは大胆な白・黒のストライプで色分けされています。

この2種の要素が他のディティール、窓の庇、小さな窓枠に一部剥がれそうになって張り付いている網戸に至るまで、この家の表情を絵画的に取り込んでしまっています。



こちらは、以前やはりドイツの廃屋に見つけた内部風景

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自動車修理工場に使われていた場所で、暖房が十分ではなかったのでしょう、窓には発砲スチロールが張り込まれ、さらに隙間風を防ぐためか、とりあえずその辺にあったテーブルクロス用のビニールシートの帯・・

こちらは偶然のコンポジションというよりは、寒さを少しでも遮ろうとした生活の跡。





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工場の外側。内側に張り込められた、板や発砲スチロールが背景になって、窓の汚さがわざと塗りこめた白色のタッチのように見えます。




どの風景も、もしかしたら通りすがった時のその人の感情が左右して、見え方が違ってきます。

モンドリアンという画家の実際の作品は、もっとコンポジション(画面分割)を追求していて、冷静に鑑賞者を跳ね返すような雰囲気があります。

が、街中でモンドリアン的な・・・と単純にその形容を使って切り取る風景はなんだか危うくて、面白みがあると・・私は思います。



しかし日本の古い家、板張りの線のコンポジションはなんと言っても圧巻です。飛び出すクーラーさえ取り込んでしまいます。

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Commented by tarutaru953 at 2009-07-03 00:44
え!モンドリアンですか?いいところついていますね~。携帯からのアクセスですがもしかして画像のみのアップは珍しいですね。外国ですか?それともご実家のある辺りでしょうか?板壁が主張していますね~。いい写真です。
Commented by 河西文彦 at 2009-07-03 05:01 x
まさに昭和30年代の映画に尾で手来そうな 建物ですね。なんの関係も無く「怒りの孤島」という映画を思い出しました、三崎でなくて 広島岡山のあたり 瀬戸内海の 島の物語 「舵子」として 子供の売買が行なわれて 居たころの話です。小学校6年生の 私には強烈だった。後に(最近)この話の真実は 少し違っていたとのことも知ったけど。いかにも有りそうな時代 でした。
Commented by M野 at 2009-07-03 18:55 x
密かにこんな写真を撮りためています。こんな風景はやはり浜街に多いですね。あとは旧遊廓などのあった街ですね。
以前見た中では、細長く、時をおいて増築していったため、横から見るとイモムシみたいになっている家がありました。この三崎の家は昔なんだったんでしょうね。
Commented by glueck at 2009-07-03 23:51 x
さすが、先生、被写体の目線が違う・・・
廃屋でも、カメラを向けるなんて、他人の視線は自分と違うので
意外な発見ができて面白いですね。

ところで、右上の三毛猫ちゃん、後ろ足のソックス柄
がまた可愛いですね。
Commented by うお at 2009-07-04 00:43 x
Taruさん
私がアップしている途中にコメントしてくださったのですね。すみません、またぼそぼそ書き込んでいます。
建築物は基本的に縦横のコンポジションになっていますが、人の住んでいる場所は余計なものが多いです。日本でもドイツでも、その点廃屋はがらんとしていています。

アップする際、意図してカットしたらちょっとつまらなくなりました。苦笑いです。
Commented by うお at 2009-07-04 00:52 x
河西さん
「怒りの孤島」という映画。河西さんは色々見ていますね。その映画は知りませんが、「忘れられた日本人」という民俗学のような、社会学のような・・本で「舵子」のことを読んだ覚えがあります。船が住まいの子供達は時化で陸に上がると、こんな船着場の納屋のようなところに寝泊りするのだったかな。
時代って面白いですね。実体験でも今となっては信じられない暮らしだったと、ちょうど廻ってきた、富山の薬売りさんと話していたところです。
Commented by うお at 2009-07-04 01:03 x
M野さん
その密かな写真を是非、いつか拝見させてください。
多分最後の建物のことですね。ここは現在もマグロ料理の料亭です。昔は旅籠だったのか、それとも宴会場の大広間だったのか・・・という感じの2階部分です。この建物の後ろ側へ、さらに横に伸びる回廊を伝って隣の家へと、複雑に増築されていました。
Commented by うお at 2009-07-04 01:14 x
glueckさん
同じ物を見ているのに、同じには見ていないと思うと、可笑しいですね。以前「何でそんな色にするの?」って、疑いの目を向けられ返答に困ったこともあります(笑)
あの猫ちゃんは4階に住んでいるから、自由に出入りできなくて、こうしてひも付きのお散歩になるそうです。後ろ足の後ろ側だけ真っ黒だったり、可愛い柄物ソックスでした!
glueckさんのページも覗いていますがコメントに行き着かなくて失礼!何しろアナログ回線が重くて、画像を待っているうちに眠くなってしまう・・
ベルリンのコンサート、雨でしたが臨場感溢れるレポートでした。
Commented by 寛太 at 2009-07-07 00:46 x
さっき書いてたの字間違えてたんで書きなおそうと思ったら全部消えちゃった だはっ もう一度 でもなんて書いたっけか

肴はあぶった いかでいいーーー
なんて曲が流れてきそうな景色 いいですねー
タイトル  酒飲みが酒を飲みたくなる様な写真展 なんてどうかな
表面はモンドリアンであっても中で起きるドラマは超日本的
そんなドラマがにじみ出てくるような建物の写真好きです
最近の建築写真は特に人の匂いがしないよね

昔 広島の尾道方対岸の島に渡し舟で渡ったら 廃墟のような漁村の家の壁に船の古材つかってて なんか引っ剥がしてもって帰りたい衝動に駆られたことがあった
その後 そんな古材や流木を使ってモダンなバーやレストランを作ってみようとしたが実現しなかった
そうそう こんな景色には猫が似合うね
塩の匂いが恋しいです
Commented by うお at 2009-07-09 13:08 x
寛太さん
ぶはっ、やっぱり連想は酒に行きますか。ノンアルコールに飽きてきましたか。
最近「人が居ることを思い出す」のは自分の年齢のせいだけでなく、時代感覚かも知れないと思ったりします。
岩手県のある家を訪問したら、外壁の木材が全く塗装されていなくて、自然に木目の食い込みが深くなっているのを、びっくりして眺めてしまいました。これでいいんだよね、と思いながら、これでいいと暮らす自信みたいなもの・・・知識とか制作とか全てに通じる何かだけど、ああわからないと・・・

そちらの陶芸工房の猫達は似合ってきましたでしょうか?
Commented by 寛太 at 2009-07-10 08:05 x
猫達 工房に似合うというより工房のっとったという感じです
わたしは こんな写真見せるから 酒の禁断症状がでてます こまったもんだ
写真や作品で何伝えようとしてるのかは分かるんですが 魚さんの文章は時々何言ってるんだか分けわかんない まあいいかー
しっかと充電してきてください 
Commented by うお at 2009-07-11 22:31 x
寛太さん
ごめん。ごめん。自分でも今回の日本滞在はなんだか足元がしっかりしていないような不安定感があって、考えも、言葉も定まりません。

今まで家を守っていた母が不在の実家に居ると、こんなにおぼつかないものですね。

ロックはともかく、ミルクやパンクはへーリンゲンからフライブルクそして今の場所と転々としながら、なにを考えているのでしょうね?
寛太さんも新しい工房で落ち着いた生活ができるまで、頑張ってくださいね。
by kokouozumi | 2009-07-02 23:32 | 美術 | Comments(12)

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