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今日は素敵においしかった!





お菓子マイスター実技試験最終日
彼女は合格しました。


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パンマイスターの彼が陶芸教室に参加していました。そして彼女もマイスター試験に挑戦していることを知りました。ともに職人資格留学というシステムで同期にドイツへやってきました。

それから何年目になるのでしょう。彼はマイスター資格を取得してからStuttgart近郊の町にある・・日本だったら江戸時代創業のパン屋さん6代目の店主の下で働いています。「仕込み」という責任ある仕事を任されているのはシェフと彼だけです。夜の9時から仕事場に入り、早朝2時に出勤してくる他の職人が焼くパン生地を準備するのが仕込みです。

彼女はまず始めの数年お菓子屋さんで働いていました。それからマイスター学校に入学して今回の試験に向かいました。試験期間は数ヶ月に及びます。まず筆記試験、これはお菓子作りのノウハウばかりではなく、マイスターとして一軒の店を構えた場合必要な経済学、簿記能力、商品の傾向をプランするための市場調査能力、そして個性・・と多方面の才能が問われます。

それから実技試験のアイデアマップ。課題や自由制作として、どのようなお菓子を制作するかコンセプトの説明、レシピ、予想図など約50ページのファイル提出です。

それから実技試験に向けて制作した全部のお菓子を展示するブースのデコレーションに必要な小道具、脇役の収集を始めます。その段階でファイルのコンセプトが明確でないとどうにも動きようがないわけです。全てが具体的な表現方法として頭の中に図面がある・・・それがマイスターとして欠かせない能力かもしれません。

実技試験は3日間、合計22時間です。彼女ははじめ十分な時間だろうと思っていたそうです。ところが始まってみると作業が予想の時間より押せ押せでものすごい作業風景になったそうです。採点には「美しく作業できるか?」も問われているので、あの仕事ぶりはどうなのだろう・・と彼女の唯一の不安材料。(見学者による展示コンセプトの評価はかなり優秀という意見に一致)

彼と彼女は今年9月に日本へ帰り、一緒にお店を一軒任されることが決まっています。しかし、いつかドイツでもお店を持ちたいという夢があるそうです。

物作りの話に接すると、いつも嬉しくなります。



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今回の試験課題にはバウムクーヘンが入っていました。
私が会場からでて、制作室や廊下をうろうろしていた時、バウムクーヘンの心棒と思われる木の棒を見つけました。1mぐらいあるそれはかなり重そうです。

この心棒の周りに生地を巻き込み、焼き、又巻き込みを華奢な日本女性がやり遂げるのは、かなりの重労働だったことでしょう。最後に心棒をテーブルに立てるとき、力不足で一部にひびが入ったそうです。先生がそのひびを抑える技を教えてくださったのだそうです。

私は何種類ものお菓子を味見しました、どれも違ったクリームを使い、違った素材の対比がそれぞれのお菓子の中にあり・・それにものすごくファインな装飾でありながら、舌触りを計算したトッピングなどなど・・・
お菓子マイスター試験はとってもおいしかった!
Commented by M野 at 2011-07-29 20:02 x
ウワサに聞くドイツのマイスター試験。かなり過酷ですね。
店を開くために投資する人たちへの、保障という側面もあるのですね。マイスター制度は。技術があるけど経営がどんぶりではマイスターになれない。そういったものを感じます。
でもねうおさん、2番目のゼリーのようなムースのようなういろうのようなケーキの写真はイマイチですぜ。飾りが倒れているもの。
Commented by 河西文彦 at 2011-07-29 21:02 x
今 日本でブームのクールジャパン! 日本が世界に誇れる者(物)がいっぱい ドイツにも来ているのですね、ジャンルを問わず 今の日本 世界に自慢したいことばっかりです。残念なことに 政治家だけは 冷害です
(例外)自分は何もできないけれどある種の「選民思想」すら感じます。
大陸から来た文化(文明)を藍より青くした日本 となでしこ たち!
Commented by M野 at 2011-07-29 22:00 x
ああ!河西さん、日本女子ソフトボールが同時期にワールドカップで準優勝したのを忘れないで!日本の男どもが忘れた熱血を、ナデシコの花言葉とおりに「純愛」「大胆」「勇敢」で発露しているんですよ!
でも女子ソフトボールは女子フットボールより、国際的に知名度ないのは確か。
スーパークールビスといわれた日本ですが、東北は30度を超える日が今の所とても少なく、景気の下がりっぷりとで、クールジャパンです。
あ、岩手・宮城・福島を抜かした、有効求人倍率は上昇中です。これは加熱して欲しいです。
Commented by うお at 2011-07-30 07:04 x
M野さん
ドイツ語でマイスター試験に挑戦した彼ら、ほんとうにすごいですね。ワーキングホリディや修行留学の形で多くの若者が体験を積み重ねていると思いますが、こういった試験を目指すことは、相当の自己投資への覚悟が必要でしょう。やり遂げた自身がより大きな財産になると想像します。

ナデシコの花言葉にはそのような意味があるのですか。サッカー、ソフトのナデシコチームも、彼女もその言葉どおりに突き進んで来たに違いないですね。

私の写真は、それに引き換え全くお粗末で申し訳ないのですが、あの倒れた飾りから目が離せなかったのも事実です。いつ倒れたのかなあ?それからもちろん味も大きな課題ですが、審査員用に大型のケーキなどは二つ作ったそうです。
Commented by うお at 2011-07-30 07:23 x
河西さん
M野さんへの返信続きのようになりますが・・
彼女の展示はまさにクールジャパンでしたよ。拝見して「やっぱり日本人はセンスいい!器用だ!!」などなど次々思いましたよ。

・・藍より青くする、ファインな感性はいろいろな分野でテーマになり、解釈されているのだと思います。難しいですね。じゃあ本物の藍は何処にあると、それぞれが考えることなのでしょう。

このところ寒くてドイツビールすら、色をなくしますね。
by kokouozumi | 2011-07-28 05:59 | 人々 | Comments(5)

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by kokouozumi