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その後1週間が過ぎて








2011年3月19日

P.S.
昨日、日本人のメンタリティーに対する独逸人の反応として、私が書いたことが、「日本脱出が最良の手段」のような印象になってしまったとしたら、申し訳ありません。
IAEA(国際原子力機構)の発言が文字通り国際的にもっとも権威のあるものとして信頼できると思います。

「福島第1原発事故から教訓得る」 IAEA天野事務局長  :日本経済新聞

天野氏が東京で放射能量を観測した結果問題ないと発言してから、ドイツ国内のメディアでもぷっつりと過剰表現がなくなりました。さらに電源修復で福島原発の状態は、かなり安定していると報道されています。原発事故の歴史に画期的な結果を残しそうです。

ただ私の郷里、石巻市渡波に関して、序々にいろいろ判ってきました。
ライフラインの何一つ復旧していない中で何千人もが避難所生活をしているようです。市ではそのような町民全体をもう少し良好な避難生活の可能な場所に移民させるべきか検討中とのこと。早くそうして欲しいと思っています。






2011年3月18日

M野さんから、そろそろページを更新したほうがいいのではという声で、急に夢から覚めたような・・。それよりも何が現実なのかまだ判らないといったほうがよいかもしれません。

24時間体制で配信される日本のニュース番組を突然のように毎日かじりついて見ていました。ドイツのこの一週間も、10分おきに日本のニュース。場所的にはドイツから日本の出来事を見ているに過ぎないのに、心中は郷里の航空写真の中をうろうろしている自分。

遠くの不明のことを出来るだけ正確に知ろうとしていた1週間がすぎると、報道で伝えられる内容が次第に人々の具体的なドキュメンタリーに変わってきました。

それなのに、郷里の人々がどうなのか全く判らない。

「日本人の落ち着き」がこちらの報道で賞賛されてから、日本人のメンタリティーが新たな具体性を持って語られています。たとえば日本人と結婚した国際家族が、被災した日本の両親なり親戚をこちらに呼び寄せようというアイデアは最善のドイツ人的救済方法といえます。その申し出を日本側が拒否するのが信じられない。ラジオのアナウンサーはそのような申し出を拒否するのは日本人ぐらいだろうと続けます。

そして拒否した日本人の理由は「この天災の後、日本がますます美しく感じられる」というのです。

さらに何を言い添えることが出来るでしょうか
Commented by 河西文彦 at 2011-03-19 07:11 x
良いにつけ悪しきにつけ、日本人はやはり西洋の人には理解しがたいものがあるのでしょう。日本人に生まれたこと感謝しつつ、ちょっぴりドイツ人のいやみな部分に共感を覚える自分。一生懸命 原発の火事に立ち向かう人も居れば 石原都知事みたいに切り捨てる人も、、、でも日本人ですみんな。とにかく今は身の回りから片付けていくしかないでしょう。昭和20年から 立ち上がった日本人です。泣いても始まらない
Commented by ko-usagi at 2011-03-19 08:48 x
うおさん、正直言ってすごくこわいです。
ドイツの友だちからは連日メールが届きます。中には「うちに来なさいと」いう人も3人。その中のひとりは、「もう迷ってる暇はない!空港に迎えに行くからすぐ来なさい」と。
ドイツではどんな報道がされているのでしょう?きっと、放射能について日本より危機感溢れる報道なのでしょうね?
出来る事なら行きたい!
でも、両親を残して行けないし、行ってしまったらその後の生活が不安です。
海藻などや味噌が放射能に対して排出効果があるようです。知恵を駆使して、やっていこうと今は考えています。
うおさんもご家族がご心配ですね。。。お祈りしています。

Commented by M野 at 2011-03-19 20:31 x
ガソリン不足でゴミの回収が止まりました。ちょっと困った物です。現在盛岡ー仙台、盛岡ー東京の高速バスが運行しています。他のバス路線は本数は少ないですが運行しています。鉄道も徐々に復旧して、来週には新青森ー盛岡が開通します。なので、被災地からドイツに避難する事は可能なようです。ただパスポートを持っていないとか期限が切れたとか、そういった人はどうしようもないのではないのでしょうか。少なくとも岩手県大槌町(町長が行方不明!)から、盛岡に出る事がままなりません。とりあえず宮古市まで出れれば本数限定ですが盛岡行きのバスが有るようです。そこまでのガソリンをどうするのかという問題が有ります。パスポートの更新等考えたらどうなんでしょう。その時間は。苦難の旅をするなら、地域で支え合うつっかえ棒になりたいと思う状況では無いでしょうか。
沿岸は特に災害にたびたびあっているので、互助的な空気の強い土地です。そこから出て行くのはまた違う重荷が有るとも思います。神戸・芦屋のお金持ちみたいにささっと脱出しにくいでしょう。また阪神と違って車を出せば安全な大阪にたどりつけれるような状態でもありません。
Commented by M野 at 2011-03-19 20:55 x
放射能に関しては、隣の中国の反応が面白いです。偏西風で中国に放射能がくる確率は現在無いと思いますが、ヨード入りの塩がとてもよく売れているようです。
でもなんだろう、このなるようになるしか無いみたいな諦感は。大量の海水をバラ巻く事であの近辺が大量に塩害にあって、現在排出しているセシウム等の軽い物質による放射能汚染を地下水から海水にまで及ぼしているのに。多分1年後冬枯れの福島原発でテレビリポーターがきっと言う、「植物も生えなくなったこの土地は・木も枯れています!」、それは海水による塩害。そういまから考えているこの私の矛盾。
海外の報道は、相変わらず鋭い所をついているのですが、この10年間で日本の地位が没落したためか、海外特派員や日本事務所が閉鎖されて、取材力が落ちているとも言われています。原発に偏るのは各国の事情もありますが、相変わらずの日本の不透明性にも有るようです。
海外が不安になるのもよくわかるが、私のこのあきらめは解ってもらえないのでしょうね。」
Commented by うお at 2011-03-20 06:12 x
河西さん

「日本がますます美しく感じられる」という感覚がよくわかると感じた時、自分の中の日本人的メンタリティーに気付かされたともいえます。現在展示中の私の作品にも関連するところです。
幸いなことに、河西さんの言うように、周りのことから片付ける、落ち着いた状況が日本に戻りつつあります。さまざまなことが連鎖して絡まりどうしようもないところから脱却できたのは、決死の原発作業員に代表される日本人に他なりませんね。
Commented by うお at 2011-03-20 06:24 x
ko-usagi さん
ご心配いただきありがとう。
そして不安な気持ちを増させてしまいごめんなさい。貴方の不安は、お子さんを抱えている誰もが感じていたでしょう。
実はもうドイツに到着している避難者も居るようです。彼らは結局観光気分でまた帰国するでしょう。
ドイツでの反応は正確な放射能値から危険度を測ったというより、より安全な場所に居るべきという、単純な発想です。しかしそれに付随する細やかな処理すべきことは度外視しています。この経緯に私は日本人のメンタリティーに匹敵する、独逸人気質の面白さを感じました(笑)
とりあえず、世界中の不安を取り除いた、原発作業員に感謝ですね。
Commented by うお at 2011-03-20 06:52 x
M野さん
津波の後、渡波の実家が写っている写真を見ました。それぞれの家がかなり破損しているようなのに、道路沿いにきれいにゴミ袋が積み重ねてありました。すべてのライフラインが無の状況で、ごみ収集者なんかやってこないだろうに、秩序を崩さない土地の人々に感嘆します。
この土地の人々にとって、この土地が切り離せないことも良く理解できます。そこが唯一の意味ある世界である、という幸せを彼らは手にしているのかもしれません。ただ電気・水道・ガス・通信のまったくない生活をあまり長いこと強いられるのはよくないのですね。
そうなのです。家がなくなりトランクもない被災者がいったいどうやってパスポートはともかく空港までたどり着けるでしょうか。それこそ2国の政府間でこの地域の人々を移動させますと取り決め、瓦礫の山前から空港バスが出発しない限り無理なことです。しかし渡波ではドイツまでとは言わないですが、一時移住が考えられているようです。
Commented by うお at 2011-03-20 07:08 x
M野さん
の諦観。それを覆すような今後の政治力に云々いうこと私には全く不可能です。が、誰かさんの天罰発言はその不透明性をさしているのに、言葉不足で誤解されたのではないかと、こちらの見方があるようです。責任追及の批難に明け暮れる前に、誰がその土地の再生に貢献できるでしょうか。インドネシアの例では住民と海外協力隊の団結による成果があったということですが、日本ではそれさえも阻む事態にならないといいのですが。
Commented by 河西文彦 at 2011-03-20 14:15 x
19日土曜日 日本人婦人会の皆さんがウエストパークに集結赤十字の催し物に参加させてもらい募金活動しました!盛況でした募金は来週の火曜日赤十字に届けられます。こうして日本女性が結ぶことが出来たのは嬉しいことです、今までは お茶するだけの集まりだったのに、女性のパワーに感激です。娘は明日日本へ飛びます。今は心配するのは止めました。あすなろ精神で頑張ります。
Commented by M野 at 2011-03-20 15:02 x
現在の原発は、再臨界の可能性がかなり低いと思います。出てくる放射性物質も、問題になるのはヨウ素とセシウムですし、キセノンなんて健康被害が全くないでしょうし。ちょっと騒ぎ過ぎです。
ここの所買い物が楽しみです。ようやくティッシュペーパーが入荷し始めました。ここに来て嗜好品が大きく動いています。酒やタバコですね。開いた棚を見ながら、なんでこの商品が売れたんだろう?とか、これが売れていないのはナゼ?とか考えながら見ると、空っぽの棚も楽しい読み物になります。初日に原発の報道が有ったのに、海草類とビタミン剤が売れていなかったのは本当に不思議でした。近所のスーパーは、今日ポイント5倍セールをやっていました。肉が棚一杯に並んでいるのを見ただけで幸せになります。
Commented by M野 at 2011-03-20 15:31 x
そうそう、スーパーで妙に売れていた商品に小麦の強力粉。ドライイーストも完売。という事は、この1週間のあいだホームベーカリーに挑戦した人がいっぱいいたという事です。しかしマーガリンは売れていません。インスタントラーメンが完売なのはよくわかりますが、冷凍食品の焼きそばは売れていません。ポテトチップスやそのたぐいは売れていましたが、チョコレートは在庫が有ります。
面白い物です。
Commented by seedsbook at 2011-03-20 20:02 x
遠くはなれて居るだけに心配が膨れ上がります。
ドイツのメディアの煽り方には恐いものがありました。あの情報の窓枠内に見えること、少し真実を曲げ気味に報道されることで先日個人的に悲しくなることを言われたりもしました。日本人の姿勢は理解できないという人はとても多いと思います。
いろいろなことを説明し疲れて、情報の海におぼれて殆んど沈没気味でしたが、これではいけないと気を取り直したところ。。。
これから展示をしてきます。売上金を義捐に使えるといいな、と期待して。
Commented by tomato at 2011-03-21 20:09 x
渡波に行ってきました。
残念ですが駅より西側は壊滅状態でした。
駅から東へちょっと行ったジャスコあたりまでは
幾分被害が少なかったようです。
お知り合いの安否は如何でしょうか。
悲しみの胸のうちお察しいたします・・・・
Commented by うお at 2011-03-22 08:51 x
河西さん
返信遅れました。
そちらでもご婦人パワーが力を見せているようですね。フライブルグでもチャリティーの展覧会、演奏会、オークションといろいろなアイデアが提出されている中、子ども会のみなさまが日本食でアピールしながら募金活動という活動がいち早く実現しそうです。会場打診、趣旨の説明とお母さん軍団のパワー全開です。受けてのドイツ組織も、この際日本紹介をどんどんやってみようと乗り気のようです。今回の出来事で日本、日本人への興味がすごいブームになりつつありますね。なんといっても福島50(原発作業員)のインパクトが強烈だったようです。
これから私たちも長期戦で日本復興のために何やかや考えるという良い機会を与えられましたね。
Commented by うお at 2011-03-22 09:24 x
M野さん
日本の農作物に対する不信感はこちらでもしばらく続くでしょう。しかし原発そのものの安全性以前の原発産業への疑いがいま、ドイツ市民のなかで話題になっています。ウラン鉱山の状況はどうなんだ?とか。

物資流通が動き出してよかったですね。嗜好品は大事ですよね。TVでも被災者の言葉に「ここで本当は思いっきり酒のみたいです」というのがあったそうです。福島以北の東北では、放射能?それどころではありません、の空気だったのでは。

肉が一杯ありますか?味噌は?豚汁作ってください。私が忙しい時の非常食でもありますが。ささやかな日常が少しづつ取り戻されるようになって、本当に良かったですね。
Commented by うお at 2011-03-22 09:41 x
seedsbook さん
私は展覧会が始まってからでしたが、これから詰めというときにこの出来事に遭遇したら大変でしたね。日本で起きた大変なことを外国にいて受け止める疲労は大きかったですね。もちろん被災者に比べようもないですが、こちらの日本人友人にもいろいろな症状が出たこと聞いています。

日本で起きたことだから日本人として、というより現代人の生活システムを振り返るという課題を与えられましたね。
現代の情報氾濫におぼれてはいけないと思うこと、制作も不毛地帯に踏み込んでいくこと。好機と考えることも出来ますね。展覧会が無事進行しますように。
Commented by うお at 2011-03-22 09:52 x
Tomatoさん
本当にお疲れ様です。毎日読みながらとても励まされました。私も出来れば現場にいたい。でもそれは現実を知らないから簡単に言えることなのでしょうね。

渡波の同級生の安否は少しずつ尋ね人のページから確認を始めました。遠隔地にいる家族や親戚からの問い合わせで構成されていますが、まず問い合わせ人に連絡をして、もう少しわかってくればと思っています。

Tomatoさんもご自分にリラックスを許しながら、がんばってくださいね。私の出先からのコメントが入らなかったようです。
by kokouozumi | 2011-03-19 06:50 | 人々 | Comments(17)

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by kokouozumi